介護現場には、利用者の介助を行う介護職員以外にも様々な職種のスタッフが勤務しています。例えば、看護師やケアマネジャーのほか、介護事務職員や作業療法士がいます。作業療法士は、高齢者や障害者などの利用者の身体の不具合を改善するため、リハビリの指導やマッサージを行います。高齢者の介護施設では、脳梗塞などの血管障害やリウマチなどの疾病により、身体の機能が低下してしまった利用者が少なくありません。利用者の身体の状況や健康管理については、日常的に利用者と接する機会の多い介護職員や医療の専門家である看護師との情報共有が欠かせません。異業種間のコミュニケーションを図るため、介護職員や看護師など様々な職種のスタッフが集うケアカンファレンスという話し合いの場が設けられています。ケアカンファレンスでは、利用者の健康状態について綿密な打ち合わせが行われ、介護方針について活発な意見交換がなされます。
作業療法士は、他の職種のスタッフから得た情報に基づき、各利用者に最適なリハビリの計画を立てて身体状況の改善に努めます。ケアマネジャーは、こうしたケアカンファレンスの意見交換を参考にしながら、利用者やその家族と面談を行って介護計画を練りケアプランを作成するのです。現場の介護職員はケアマネジャーが作成したケアプランに従って介護を行わなければなりません。異業種の仕事内容に対して、少しでも理解することで、さらに信頼関係を築きながらチームとして協働できるでしょう。